日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
原著
Perfusion Indexを用いた簡易的重症下肢虚血評価の可能性の検討
山本 暢子 坂下 英樹深山 紀幸高井 佳菜子駒井 宏好
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 29 巻 2 号 p. 103-108

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抄録

【目的】Perfusion Index(灌流指標:以下PI)はパルスオキシメーターによる動脈血酸素飽和度波形を用いた末梢灌流状態を表す指標であり,PIを用いて末梢動脈疾患(PAD)の早期発見・重症度の識別が可能か検討した.【方法】2015年3月~2016年8月に当科を受診しPIを測定したPAD患者70人79肢を対象にPIとPAD重症度との関連を検討した.【結果】PIはPADが重症になるにつれ低値となり,PI平均値・最低値でF1(無症候・冷感)/F4(潰瘍)群間に,PI最高値でF1/F2(跛行)群間・F1/F4群間に有意差を認めた.またPI平均値で重症下肢虚血(CLI)のカットオフ値を0.27と設定すると,カットオフ値以上の跛行例ではCLIに進行しない症例が多かった.【結論】PIを用いてPADの識別を簡便に行え,PI平均値がカットオフ値0.27以上であればCLIへ進行する可能性は低かった.

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