水環境学会誌
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浄水汚泥からの凝集剤回収法とそのリン除去能の検討
市原 真紀子西尾 孝之
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2011 年 34 巻 12 号 p. 183-189

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抄録
Alの高濃度化や不純物の精製など,改良を加えた浄水汚泥からの凝集剤回収法について検討し,そのリン除去能を検証した。回収凝集剤(再生バンド)のAl2O3濃度は0.75~9.4%であり,一部はJISに定めるAl濃度を満足していた。含水率の低い浄水汚泥を用いると,よりAl濃度の高い再生バンドを作成可能であったが,同時に不純物の高濃度化が見られた。再生バンドはT-NやT-P,Fe,Mnを高濃度含んでいたが,精製処理によりT-P以外は43.6~76.5%除去され,Alの低濃度化や鉄・マンガンの濃縮といった既報における欠点を一定克服した。モデル排水(T-P 0.85 mg・L-1)や地下水(T-P 1.14~1.52 mg・L-1)を用いたジャーテストにおいて,再生バンドは市販の硫酸バンドと同等のリン除去能を示し,1:5(PO43-:Al)のモル比で9割以上のリンが除去された。
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© 2011 公益社団法人 日本水環境学会
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