水環境学会誌
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原著論文
生態系モデルによる沈水植物アレロパシーの微細藻類量・群集構造に及ぼす影響解析
武田 文彦中野 和典相川 良雄西村 修島多 義彦袋 昭太仲沢 武志田中 仁志林 紀男稲森 悠平
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2014 年 37 巻 2 号 p. 15-28

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抄録

沈水植物のどの機能が微細藻類量(Chl.a)や微細藻類群集の変化に影響するか不明である。本研究では沈水植物イトモをモデル沈水植物とし,隔離水界での調査,室内実験結果に基づきアレロパシー等の4機能をモデル化し,沈水植物機能を考慮した生態系モデルを開発した。開発したモデルは隔離水界内の各種水質挙動を再現できた。モデル解析からアレロパシーはChl.a低下作用は小さいが藍藻類量を減少,珪藻類量を増加させるという藻類群集構造変化を引き起こすことが示された。アレロパシーとミジンコ類個体数増加機能を組み合わせた場合,ミジンコ類の餌として不適な藍藻類の量がアレロパシーにより低下し,相対的に珪藻・緑藻類の量が増加することでミジンコ類の藻類捕食が向上し,Chl.a低下効果が強化されることが示唆された。沈水植物のアレロパシーは微細藻類やミジンコ類などの微生物群集に直接的・間接的に大きな影響を与えると考えられた。

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© 2014 公益社団法人 日本水環境学会
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