抄録
廃水中の有機物濃度および外部抵抗の大きさをさまざまに変えた条件で,微生物燃料電池にリン,マグネシウム,アンモニアを与えて,エアカソードにリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶を析出させる実験を行った。有機物濃度が高い系ほど電流生産量が大きく,カソードへの析出物量も多かった。また,外部抵抗が小さい系ほど電流生産量が大きく,カソードへの析出物量も多かった。また,析出実験開始時の電流生産が多かった系の方が,結晶析出後の電流密度が大きく減少した。これは,カソード上への結晶の析出により酸素還元反応に関わる物質の移動が阻害されたためだと考えられる。