水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
硫酸還元菌の計数法および硫酸還元活性の測定法
竹内 準一田口 幸夫佐竹 研一森 忠洋
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1988 年 11 巻 1 号 p. 38-49,27

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抄録

硫酸還元菌の計数には安定して結果の得られるMPN法がよく, 改変ISA培地 (Mara and Williams, 1970) を用いれば菌の生育が早いので培養期間を短縮できる。また, 有機物が多いので還元剤の添加が省略でき, 半流動培地にして混釈すれば流動パラフィンによる封入も要しない。この培地は沈殿を全く生じないので寒天培地中で明瞭なコロニーを作らせることが可能である。パウチに寒天培地を封じることで容易に嫌気的な平板培養ができる。
硫酸還元活性の測定は35Sでラベルした硫酸塩の還元速度で求める。生成した硫化水素は酸性下で不活性ガスを通気して吸収液に固定させ (ストリッピング法), 放射活性を測定する。硫化水素の回収法としては, 他に吸収液を含ませた濾紙に吸収させる方法 (濾紙吸収法) があり, この方法を用いることによって, 測定時のトラブルも少なく, 迅速に多数の試料を処理することが可能となり, 応用分野の調査研究にも適していると思われる。

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© 社団法人日本水環境学会
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