2007 年 18 巻 6 号 p. 417-425
今後の容器包装リサイクル法の見直しに関する主要な論点は, 市町村と事業者の間で費用負担を誰がどの程度の費用負担をすべきかという点である。しかし議論のために必要な市町村レベルの費用構造に関する研究はほとんどない。そこで本研究は5年間の全国自治体データを用いてパネルデータ分析を行った。その結果, 自治体規模が大きいほど規模の経済性の程度は減少することがわかった。また埋立処分場を一部事務組合で広域処理を行う場合に, 埋立処分場をまったく所有しない場合と比較して, 費用を節約できることがわかった。容器包装リサイクル法で指定された容器に関して自治体での分別の有無について費用を比較した結果, 紙製容器包装の分別を行うことによって, 分別を行わない場合よりも費用の節約につながることがわかった。