抄録
都市ゴミや産業廃棄物などに含有される資源・エネルギーの有効利用のために高温排ガス中の有害物の極小化を目指した。KawabataらのPVC燃焼実験結果から、燃焼排ガス中に残存した浮遊カーボン系物質(C*)にはベンゼン、フェノール、それらの塩化物などが含有されており、さらにダイオキシン類濃度との間に正の相関があることが判明している。この浮遊C*を高温域で完全分解することにより、都市ゴミなどの燃焼エネルギーの有効利用が可能となる。本研究では、1073 Kの高温域において小型サイクロンを用いてPVC燃焼排ガス中の浮遊C*の遠心分離・再燃焼実験を行いダイオキシン類の減少率を調べた。ダイオキシン類濃度が高い場合、燃焼排ガス中の浮遊C*の遠心分離、再燃焼の効果が顕著に表れ、ダイオキシン類濃度がかなり減少した。完全燃焼条件における低ダイオキシン類濃度の場合は、半減しかしなかった。