抄録
本研究では国内38箇所の処分場を対象として浸出水中の1,4-ジオキサン濃度の調査を行うとともに,その中から1,4-ジオキサン濃度が高くかつ埋立物組成が単純で起源の推定が容易な処分場を選定した。選定した処分場を対象として浸出水および水処理施設中の1,4-ジオキサン濃度を測定するとともに,対象とした処分場へ焼却残渣を排出している二ヵ所のごみ焼却施設を対象とした調査を行い,焼却残渣試料を採取した。焼却残渣試料の溶出試験を行うことにより,焼却施設のいずれのプロセスで1,4-ジオキサンが生成しうるのかについて検討を加えた。その結果、調査対象とした処分場に関しては焼却施設のバグフィルタから排出直後の飛灰が起源であることが明らかになった。