2 巻 (1966-1967) 2 号 p. 35-40
活性汚泥による下水の浄化は, 物質の物理的移動と生化学的反応を併せての効果によるが, この生化学的反応は,
1) 下水汚濁物質の活性汚泥微生物への吸収。
2) 吸収された物質の微生物による分解, またば, それによる新物質の合成。
の2つのプロセスよりなる。
下水汚濁物質が1) の過程において汚泥微生物に吸収ざすれる時, 溶解した形の物質, 殊に低分子の物質はそのままの形で微生物体内への吸収が可能であり, 活性汚泥による下水汚濁物質の安定化に於ける主要段階は2) の過程の酸化分解及び同化作用にあるが, その前提として, 根本的な問題であり, ひとつのneckとなる可能性が1) の物質の汚泥微生物体内への吸収にあると考えられる。
従来, 活性汚泥による基質除去については多大の報文が見られるが, これ等は与えた基質が吸収される段階はneckにならないものと仮定し, あるいは殆んど無視されて, 次の段階で起る基質の分解, 同化除去作用を直接論ずるものが多く, 基質の吸収の段階での研究は少ないようである。
ここで我々は, 活性汚泥による下水浄化機構の解明のための基礎的実験の一段階として, 溶解性物質の汚泥微生物体内への吸収について, 特に活性汚泥と基質との間に短時間に起る変化に主眼を置き, 基質の種類, 基質問の関係等の条件による吸収速度, 吸収パターンを調べたので報告する。