58 巻 (2004) 4 号 p. 453-460
近年,環境保全・環境問題が世界的に重要視されている。バイオマス資源を多用している製紙業界においても環境型企業の構築が課題となっており,リサイクル化として古紙の利用が急速に進んでいる。2001年の日本国内の古紙利用率は58%であるが,リサイクル56計画の達成を受けて,新たに2005年までに古紙利用率を60%に引き上げるリサイクル60が設定されている。
このような状況の中で,製紙原料として脱墨パルプ(DIP)がバージンパルプと共に用いられているが,DIPの配合は,ファインの増加,歩留まりの低下,夾雑物質の増加を伴うために,内添薬品の効果を低下させる状況にある。
DIPの特性は,製造時に使用される脱墨剤の種類,脱墨方法,洗浄工程により影響を受ける。これまでに,リサイクルによる物性変化,脱墨剤の表面張力等の検討はなされているものの,サイジングに与える影響についての検討は少ない。
本報では,DIPが使用される系において,内添薬品であるロジン系サイズ剤のサイジングに影響する因子の検討の結果,および今回の結果をもとに,このような抄紙系に適した新規ロジン系サイズ剤の設計について述べる。