59 巻 (2005) 4 号 p. 548-554
日本では今まで, 機械 (装置) を使用する際の安全の確保を「人に対する安全教育」に大きく依存してきたが, 今後は高齢化などによる熟練経験者の減少や, パートタイム労働者の増加など社会的な変化により, 現場での安全確保は今まで以上に深刻となってくる。従って「人は間違いを起こす。また機械は故障する」という事を前提にすることが非常に重要となってきており, 安全に関する国際規格 (ISO/IEC) もこれらの考え方が基本となっている。
国内においてもJISの国際規格と整合が加速し, 厚生労働省からも「機械の包括的な安全基準に関する指針 (2001年6月告示)」をはじめとした指針が通達されている。労働災害を防止するために事業場全体の安全衛生マネージメントシステムの導入に加え, 機械そのものの危険源を減らすためには国際規格や厚生労働省の指針等に従った機械の設計をすることが重要である。
規格および指針で示される設計手順は大きく5つの項目がある。(1) 機械の使用状況範囲 (誰がいつどんな作業をする機械であるか等) を決定。(2) 危険事象を想定しリスクアセスメントを実施する。(3) 本質安全設計による危険の除去またはリスク低減を図る。(4) 残存するリスクに対しては, 防護ガードや安全装置 (機能) などの安全防護を設置する。(5) 最後まで残るリスクは情報提供と警告表示をする。
機械を安全にするためは安全防護の設置による安全確保が重要となる。安全防護の主な方法として, 柵の開閉や人体の侵入を検知し機械を自動的に停止させるインターロック装置がある。インターロック装置の安全性を立証するためには, 安全の原理・原則を採り入れた設計で, かつ第三者機関による安全性を立証された部品 (セーフティ・コンポーネント) を使用することが不可欠である。安全防護装置の種類, その用途によって最適なセーフティ・コンポーネントを選択する必要がある。
その手助けとして本論をベースに検討頂ければ幸いである。