紙パ技協誌
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一般講演
次世代高品質新聞用紙の開発
野々村 文就
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2006 年 60 巻 1 号 p. 59-63

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抄録
次世代対応の高品質新聞用紙は,カラー印刷時でも裏抜けが少なく,読者の満足度と広告媒体としての価値を向上させることができる。日本製紙では1997年より高品質新聞用紙の開発に向けて,新聞用紙の中性化に取り組んできた。既に,石巻,八代,富士,NORPAC各工場において完全中性紙化を実施し,2005年3月末現在,日本製紙の新聞用紙における中性化率は約40%に達している。
 中性新聞抄造技術をベースとし,填料として炭酸カルシウムを使用する高品質新聞用紙は,従来の新聞用紙よりも印刷時の裏抜けが非常に少なく,最近の新聞印刷のカラー化に対応しており,パイリング(紙粉)の堆積も少なく,大量・高速印刷に適している。また,中性で抄造するため,古紙由来の炭酸カルシウムを溶解させることなく再利用できることや,填料として使用する炭酸カルシウムは,日本に豊富に存在し,かつパルプ製造工程で発生する炭酸ガスを使用して自製できるため,環境面でも優れていると言える。
日本製紙では,2003年から石巻工場で高品質新聞用紙の製造を開始し,現在各工場で切り替え作業を行っている。2006年6月までに国内外合わせて全8工場で高品質新聞用紙への全面切り替えを完了する予定である。
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© 2006 紙パルプ技術協会
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