紙パ技協誌
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製紙技術特集 I
製紙顔料の最新技術と動向
クリス ナットビーン
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2006 年 60 巻 12 号 p. 1807-1817

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抄録

紙や板紙の塗工技術は,広告業界からのビジュアルイメージ向上の要求を受け,日々進歩を重ねてきた。この事とマシンの進歩が重なった結果,過去20~30年に亘り,顔料は著しい発展を遂げた。多くの発展は革新的というよりはむしろ進化的なスピードで果たされたが,過去10年間における新しい顔料の開発品と既存製品との入れ替わりには目を見張るものがある。
しかしながら現在,製紙業界はかつてない程のコスト増加問題と,紙の値段の横這い化問題に対応するべく変化を始めている。そんな状況下においても,印刷用紙や筆記用紙グレードの開発は続けられ,そして,顔料需要の増加,特に炭酸カルシウム顔料の需要増加がもたらされるだろう。その結果として,顔料,その中でも特に,付加価値の高い顔料の開発や使用法が変わることは十分に予想される。
製紙メーカーにとって価値のある塗工コンセプトの為の,有効な顔料利用方法は重要なテーマである。複数顔料の組み合わせに対応すべく,新しい顔料が日々開発されている。複数顔料の組み合わせにおいて,顔料の持つ特性や価値を最大限に引き出し,顔料の相互作用を引き出す為には,それぞれの顔料が塗工層にどのような影響を与えるかを理解することが必要不可欠である。アスペクト比の高いカオリンと,エンジニアード炭酸カルシウム顔料の組み合わせによっては,品質調整,紙の軽量化,酸化チタン等高価な顔料との代替,白紙光沢の向上といった効果が期待でき,製紙会社にとって強力なツールになっている。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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