近年,環境意識の高まりから,紙,板紙に関わらず抄紙系は中性化,高温化,高電気伝導度化へ変化してきており,従来から使用されている内添のサイズ剤の効果が発揮し難くなってきている。このような状況において,外添薬品である表面サイズ剤に対する重要度はますます高まりつつある。
表面サイズ剤はイオン性,外観,成分などで分類されるが,最も広く使用されている水溶性合成高分子系の表面サイズ剤に焦点を当て,そのイオン性と機能についてBKPを用い,原紙条件を変えて種々の検討を行った。
ステキヒトサイズ度やESTの結果から,アニオン性表面サイズ剤はAlumの存在によってサイズ発現に表面から内部へと寄与していくが,炭酸カルシウムが存在すると紙表面からの水の浸透を阻止できず,サイズ発現ができなくなった。一方,カチオン性表面サイズ剤は紙中のAlumと炭酸カルシウムの比率によって挙動が変化するなど,競合的な作用が存在する可能性を見出した。紙中に存在するAlum,炭酸カルシウムともに,塗工される表面サイズのイオン性によって及ぼす作用が異なると考えられる。
これらの結果から,イオン性の異なる表面サイズ剤のサイズ発現モデルを示し,それを別の観点から裏付けるための新規な分析手法を用いた検証も行った。