62 巻 (2008) 8 号 p. 956-960
近年,高炭酸カルシウム配合化がすすんでいるが,白色度が向上するとともに塗料コストが削減されるが白紙光沢が出にくいという問題がある。そこで今回は,炭酸カルシウム単独系で塗料処方の影響を確認するとともに,ラテックスの影響について検討を行った。
今回の検討から,炭酸カルシウム単独系塗料においては,澱粉の代わりにCMCを使用し,さらに固形分を上げることで白紙光沢が改良されることが確認できた。
このような塗料においては動的保水性が悪化することから,ブレード刃先での脱水をシミュレートしたところ,ハイシェアー粘度はそれほど高い値にはならなかった。しかしながらブレード刃先での固形分(計算値)が固化濃度と近くなるため,操業面を考えると合成保水剤など動的保水性のコントロールが必要となる可能性がある。
また炭酸カルシウム単独のこのような塗料においても,ラテックスの粒子径が白紙光沢に大きな影響を与え,大粒子径化することで白紙光沢が改善されることが分かった。
ハイシェアー粘度,動的保水性,白紙光沢のバランスを考慮すると,炭酸カルシウム単独系のこのような塗料において,粒子径が80~100nmで高官能基のラテックスが有効であると考えられる。