63 巻 (2009) 9 号 p. 1069-1072
従来,パッケージ産業ではPE,PVDC,フッ素ポリマー系などがバリア材料として使用されてきた。しかし,資源保護や廃棄物処理への取り組みが重視される今日ではそれ自体の環境負荷が問題となって,バリア材同士の材料転換も一つの流れとなっている。そのような取り組みの一例として水溶性バリアコーティングへ関心が高まっている。
また近年,ポリマーのガス透過性や物性向上のためにクレイナノコンポジットの研究開発が盛んに行われている。その中で,アスペクト比の高い顔料を用いるほどバリア性が向上することが確認されており,このバリア特性を最大限に引き出す目的でこれまでにないアスペクト比のカオリンが開発された。このカオリンを用いたバリアコートは顔料容積濃度を最適化することで,従来のバリア材と比較しても遜色の無いバリア性を示した。これにより高騰が続いている合成樹脂材の置き換え及びバリアコート量の削減が可能であり,またリサイクル推進という現代のニーズの中にあって,今後の展開が最も期待される環境適合型材料の一つである。