64 巻 (2010) 4 号 p. 393-397
紀州工場では従前より省エネルギー活動を推進しており,京都議定書採択後も,省エネルギー・生産効率の向上により温室効果ガス等の排出抑制に努めている。しかしながら,ECF化(無塩素漂白パルプへの転換)設備,古紙処理設備などの環境設備によるエネルギー使用量の増加もあり,計画通りの温室効果ガス等の低減には至っていない(地球温暖化対策計画書にも報告している)。温室効果ガス低減の為の技術としては,風力発電,地熱発電やバイオマスガスタービンなどが注目されているが,目標年度である2010年を目前に控え,採算性や操業性の点で多くの問題を抱えている。当工場では今まで利用先がない為に廃棄処分されてきた廃木材やバーク,プラスチックなどに注目し,それらを燃料としたバイオマスボイラを設置することで,既存の重油ボイラを停止し,化石燃料を低減させ,温室効果ガス等の大幅な削減を図ることを計画した。本報告では,平成20年7月から稼働に入った,バイオマスボイラの操業経験について報告する。
本バイオマスボイラは,稼働後トラブルは発生したものの,紀州工場の化石エネルギー起源二酸化炭素排出量が,前年と比較すると,39%の削減が出来ている。今後は,灰の土壌化及び,石炭の低減化により,コストダウンを図ると共に化石エネルギー起源二酸化炭素排出量のより一層の削減に取り組んで行きたい。