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紙パ技協誌
Vol. 66 (2012) No. 10 p. 1126-1129

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http://doi.org/10.2524/jtappij.66.1126

パルプ特集

プリンテッド・エレクトロニクス(PE)とは,新聞や雑誌を刷るように,印刷技術を用いて大量・高速に電子部品や機器を製造する魅力の新技術である。この技術は,製造プロセスの低温化や省資源化にも大きく寄与し,環境調和技術としても魅力が大きい。PE技術が実現する製品は多岐にわたり,有機や酸化物インクを用いたロジック・メモリなどの半導体素子,ソーラーセル,照明,電子ペーパー・有機ELテレビ,電子表示・デジタルサイネージ,一次・二次電池,RFIDやヘルスケアセンサーなどがあげられる。今後20年間で,PE市場は40兆円規模に成長すると期待されており,これを向けて欧州各国は10年ほど前から,台湾,韓国はここ数年からPE技術の開発へ莫大な投資を行っている。
従来のデバイスプロセス温度は300―500℃程度必要であったが,PEのプロセス温度は200℃付近まで低温化しつつある。そのため,フレキシブルなプラスチックフィルムを用い,連続的なロールトゥーロールプロセスでデバイスを製造することがターゲットとなっているが,200℃という温度は,多くのプラスチックフィルムにとっては熱膨張性や耐熱性の面からまだまだハードルが高い。一方,紙やセルロースナノファイバー材料は,熱膨張率が小さく,200℃程度の加熱プロセスには十分耐えうるため,PE用基板として極めて有望な材料である。そこで本稿では,「紙」基板を用いたデバイス研究の開発事例を紹介する。

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