紙パ技協誌
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環境特集
王子グループの環境コミュニケーション活動の事例紹介
日比野 雄志
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キーワード: X0その他, X1環境総論
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2012 年 66 巻 12 号 p. 1375-1378

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抄録

王子グループでは,1997年1月に環境憲章を制定し環境経営に取組んできた。
今回は,特に地域住民との情報交流や社会貢献活動といった環境コミュニケーションに積極的に取り組んでいる都市型工場である,王子製紙春日井工場の取組み事例を紹介する。
王子製紙春日井工場は,主力のコート紙をはじめ上質紙,中質紙,クラフト紙,ティッシュ,紙おむつ等を生産する総合紙パルプ工場である。名古屋市の北東部に位置する人口31万人の春日井市の中心に位置し,社宅地区を含めた敷地面積は約84万m2と,春日井市の全面積の約1%弱を占める。名古屋市近郊の発展とともに急速に都市化が進み,工場を取り巻く環境が大きく変わってきた。
環境コミュニケーション活動は下記がある。
1)地域住民との情報交流として,
(1)製紙工場周辺地域連絡会(環境情報の説明)
(2)庄内川中流部整備問題研究会(庄内川水系の改修計画や環境保全計画等の情報交換)
(3)環境モニター会(地域住民の方へ依頼している環境モニターとの情報交換)
(4)かすがい環境まちづくりパートナーシップ会議(市民,春日井市,企業が共同して環境の改善を図る組織)がある。
2)地域社会活動として,
(1)工場見学(周辺地区の学校,自治体等による工場見学)
(2)王子バラ園(工場社宅地区のバラ園を開園し地区住民の方々のふれあいの場を提供)
(3)少年野球大会開催(工場敷地内の野球場の提供,野球教室)
(4)社宅地区における桜祭り,納涼祭り
(5)庄内川・地蔵川清掃
(6)使用済み割り箸のリサイクル活動
(7)その他行政主催のイベントへの参加がある。
王子グループではさらなる環境改善を目的に,2015年に向けた環境への取組み目標として新たに「環境行動目標2015」を掲げた。

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© 2012 紙パルプ技術協会
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