紙パ技協誌
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パルプ特集
産業植林の発展と課題
─ブラジルにおけるパルプ企業植林の生産性向上の取り組み─
大渕 弘行
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2019 年 73 巻 8 号 p. 709-717

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抄録

ブラジルのパルプ産業が隆盛を極めている根源はユーカリ植林にある。ユーカリの原産地はオーストラリアであるが,1914年に鉄道の枕木や橋梁材,機関車の燃料として導入された。1921年に鉄鋼業が木炭高炉法を採用し,木炭用ユーカリの大規模植林が進んだ。1956年にはパルプ原木として使用開始され,パルプ用植林も行われるようになった。

植林の基本は“適地適木”であるが,ユーカリはブラジルに適したのである。産業植林が目指すのは,“限られた面積で最大の収穫量を得る事”である。育種・育林技術に注力した結果,1970年代のha当り年間平均成長量(MAI)25m3が2000年代には40m3に増えた。

今回,ブラジル植林木産業連合会(ibá)の立ち上げ,ブラジルでの遺伝子組換えユーカリの作出,およびCENIBRA 社の植林事業について論ずる機会を与えて頂いたが,全て時代の要請を捉える方向に着実に歩んでいると評価したい。

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