紙パ技協誌
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研究発表会特集
フッ素に頼らない紙用耐油剤の開発
柴田 俊松田 礼生上原 徹也
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キーワード: T0その他
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2022 年 76 巻 11 号 p. 979-982

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抄録

ダイキン工業は,天然由来成分を使用した紙用非フッ素耐油剤「XP-8001」を開発した。
当社の紙用耐油剤「ユニダイン」は,“油を弾く”機能にこだわり,撥油性を有するフッ素材料による製品開発を行ってきた。今回,日々高まるサスティナビリティのご要望に応えるため,フッ素材料を含まない紙用耐油剤の開発に取り組んだ。非フッ素材料は,その材料特性から高撥水撥油性能を発現させることは困難であるが,表面張力の低いアルキル基の結晶性を高めることで,高温での耐油性を実現した。澱粉類の併用によって薄膜でも耐油性の発現が可能である。また,XP-8001は,紙が本来持っている特性である通気性や離解性を大きく損なうことなく,耐油性の付与が可能である。

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© 2022 紙パルプ技術協会
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