紙パ技協誌
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総説・資料
ナノセルロース関連規格類の動向
小島 鋭士
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2022 年 76 巻 2 号 p. 148-162

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抄録

ナノセルロースの規格化に関する具体的な議論は,ISOの中で新しいTC(TC229:Nanotechnologies)が活動を開始した2005年から始まった。特に,米国紙パルプ技術協会(TAPPI)の役割は大きく,必要と思われる規格の種類や発行スケジュールなどを議論する関連ワークショップを重ね,2011年に発行された「ナノセルロースの国際規格策定のためのロードマップ(TAPPI-roadmap)」という形で基本方針がまとめられた。その後,TAPPI-roadmapの方針を踏まえて,ISO/TC229とISO/TC6(Paper,Board and Pulps)の2つのシステムで規格開発が進められてきている。本稿では,TC229とTC6で議論されている規格の全体像と各論を解説した。また,ナノセルロース関連規格の理解を深めるために必要なISO情報をまとめた。最後に,今後この分野における規格策定活動の参考になることを期待し,日本主導で行われたISO/TS 21346開発プロセスの概要を紹介した。

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© 2022 紙パルプ技術協会
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