産業分野では,利便性の高い動力源として圧縮空気が幅広く使用されている。
その圧縮空気を生み出すものがコンプレッサー設備であるが,CO2排出量削減や電気料金高騰において,運用するユーザーのニーズや悩みは多岐にわたる。
圧縮空気使用量のトレンドは常に変動し,適正な機種や台数での運用が出来ずに原単位(単位空気量当たりの消費電力)が悪化する時間帯があるケースが非常に多い。このことからコンプレッサー設備は,どのようなトレンド状況でも原単位が悪化しない(変わらない)設備が「究極の省エネ設備」であり理想的である。
ただし刻々と変化する圧縮空気使用量トレンドに対して1日中または年間を通して同じような原単位で運用することは現実的に不可能であるが,「究極の省エネ設備」に近づけることは可能である。
まずトレンド解析によりコンプレッサーの稼働状況を知り,コンプレッサーの特性を活かして運用できているかの確認が重要なポイントであるが,台数制御,配管設備,エア漏れ,メンテナンス状況などを調査する広い視野での計画を推奨。そこには改善のヒントが必ず隠れている。