紙パ技協誌
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省エネルギー特集 II・カーボンニュートラル特集
川内工場における抄紙工程の省エネ事例
岩尾 優希
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キーワード: M0その他, U0その他
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2024 年 78 巻 7 号 p. 568-571

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抄録

現在世界中でカーボンニュートラルの取り組みが積極的に行われており,当工場でも省エネ活動については長年に亘り取り組んでいる。時代の流れは品質要望にも表れ,抄紙工程の操業にも変化が求められている。 長年当たり前となっていた操業形態については,固定概念にとらわれず品質面を重視しながら省エネの検証を行った。検証項目は,カンバスドライヤーの蒸気を止めバイパスした事例,クーチルーツ及び1次クリーナーナッシュポンプを停止した事例により省電力及び省蒸気を達成している。また省エネに寄与する抄紙用具を進取果敢に取り入れ,ワイヤーによる駆動負荷低減を図った結果,省電力を達成している。

本稿では当工場の抄紙工程で実施してきた省エネ事例を紹介する。

① プレドライヤーの6本のカンバスドライヤーの蒸気を止め,カンバスランをバイパスすることで電力30.0 kW及び蒸気12,966 t/年の削減となった。

② ワイヤー・プレスパートの真空系統を連結することによりクーチルーツを停止することで電力88.8 kWの削減となった。

③ 他抄紙機での実績を活かし,1次クリーナーナッシュポンプを停止することで電力19.9 kWの削減及び393,120 m3/年の節水となった。

④ 日本フィルコン株式会社製の省エネワイヤーecoシリーズを採用し,ワイヤーパートの駆動負荷低減を図り,電力11.2~14.9 kWの削減となった。他抄紙機においても省エネワイヤーの使用を検討中である。

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