2025 年 79 巻 12 号 p. 1079-1086
近年,日本国内の土壌・地下水中から有機ふっ素化合物(PFAS)の一種であるPFOSやPFOAが確認され,社会問題となっている。PFASは,産業界から生活用品まで幅広く使用されてきたことから潜在的な土壌・地下水汚染サイトは多く,今後,法規制も強化され,全国各地で汚染が顕在化することも懸念されている。一方で,土壌・地下水中の調査や対策は十分には進んではおらず,問題に直面した際にその対応に苦慮する場面も少なくない。
本研究で実施した上向流カラム試験から,PFASの種類によって土壌・地下水中の挙動特性は異なり,PFOSは土壌浅層部に高濃度の土壌汚染を発生させる一方で,PFOAは広域の地下水汚染を引き起こす可能性が高いという結果を得た。また,模擬汚染または実汚染の土壌・地下水を用いた適用可能性試験から,原位置浄化技術として「熱活性過硫酸法による原位置分解」や「アルカリ水を用いた地下水循環法による物理的回収」の有効性を確認した。
今後,PFASの挙動特性を踏まえた土壌・地下水調査方法の確立,現地パイロット試験による原位置浄化技術の現地実証を行っていく必要がある。