トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年間960時間に制限されることにより物流事業に影響が出る「2024年問題」への対応が求められている。レンゴー八潮工場では工場入場前のトラックの位置情報と接近状況を把握できるシステムを導入することで,事前荷揃えによる更なる荷待ち時間の削減を図った。当報告では,今回開発したシステムである「IoTボタンデバイス」のシステム構成と機能の詳細について説明する。Armのマイコン,mbedOSを用いたデバイスに,Amazon Web Service,SORACOM社が提供しているクラウドサービスを組み合わせて内部処理のつくりこみを行った。内部処理では位置情報を取得するだけでなく,社内基幹システムのデータを取り込み,デバイスから得られる情報と合わせてLINEやGoogleのAPIにもデータを連携し,到着予想時間や地図上に表示するなどの機能を搭載した。結果,工場が的確な事前準備を行えるようになり,荷待ち時間の削減につながった。さらに,トラックの位置情報のデータ収集を行い,部門全体に公開し分析を行うことで,さらなる改善に取り組んでいる。