34 巻 (1980) 1 号 p. 56-62
クラフト白液を酸化すると液組成が変化し, 多硫化ソーダ及びカセイソーダが生成される。この酸化白液を用いて蒸解を行うと, パルプ歩留が増加し, 黒液中の有機物含有量が下がる。これらの液組成の変化が回収系統にもたらすインパクトを検討した。パルプ製造における種々の制限因子について物質及びエネルギー収支を取った。特にエバポレーター, 回収ボイラー及び苛性化装置の分野を検討した。歩留増加効果はパルプ製造制限因子, チップコスト及び換算燃料コストによって大きく左右される事が示されている。本報告では特にポリサルファイド前処理が取り上げられているが, 歩留増加効果は各工場特有の条件によって左右されるという結論は歩留を増加させる他の手段にもあてはまるであろう。