組織培養研究
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総説
骨形成線維腫の病態解明への基礎研究
波多野 寛子重石 英生工藤 保誠東川 晃一郎飛梅 圭高田 隆鎌田 伸之
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2011 年 30 巻 2+3+4 号 p. 135-143

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抄録

骨形成線維腫は硬組織の形成を伴う線維性組織の腫瘍性増殖病変であり、顎骨の線維骨性病変の代表的疾患の1つである。本腫瘍の発症原因に関しては未だ不明である。そこで我々は、本腫瘍の特徴的な増殖機構を明らかにする目的で、骨形成線維腫由来不死化細胞株(HCF細胞)を樹立し、正常顎骨骨芽細胞をレファレンスとしてcDNAマイクロアレイによる発現遺伝子解析を行った。その結果、ヒアルロン酸(HA)受容体の1つであるReceptor for Hyaluronan Mediated Motility(RHAMM)が高発現していることを見出し、その細胞増殖・分化への関与について検討を行った。HCF細胞における我々の研究結果から、HA添加によりRHAMMが活性化され、Raf/MEK/ERKのシグナル伝達経路を活性化し、細胞増殖能が亢進することが明らかとなった。また、MC3T3E1 におけるRHAMMの過剰発現に関する研究結果から、RHAMMの過剰発現はERKリン酸化を促進し、細胞増殖を誘導し骨分化を抑制することが明らかとなった。以上のことから、骨形成線維腫等の病態では、正常な細胞増殖と分化機構が破綻しており、これにRHAMMが重要な役割を果たしている可能性が明らかとなった。

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© 2011 日本組織培養学会
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