Journal of Traditional Medicines
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Juzentaihoto reduces post-partial hepatectomy hyperammonemia by stabilizing intestinal microbiota
Yoshihiro IMAZUKenji TSUIJITakahiro TODAAtsushi ISHIGEKiyoshi SUGIYAMAYoshimi BENNOKenji WATANABEMasaki KITAJIMA
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2006 年 23 巻 6 号 p. 208-215

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抄録
高アンモニア血症に対する十全大補湯の効果と腸内菌叢の安定化作用を検討した。肝硬変患者における肝細胞癌の治療として外科的治療は最も予後が期待できる。しかし,術後合併症は治療に携わるものにとって重大な問題である。中でも高アンモニア血症は肝性脳症の原因となる一方,残肝機能に影響を与え,術後の腸管運動の低下によるbacterial translocationの誘因となる。
本研究ではマウスに十全大補湯を術前経口投与することで肝部分切除後の血清アンモニア値の上昇が抑制された。肝機能障害は十全大補湯では改善されなかった。十全大補湯非投与群では有意な血清アンモニア値の上昇を認めたが,投与群では上昇が抑えられた。T-RFLPによる腸内菌叢の解析結果から肝部分切除術によりそのパターンの変化が認められたが,投与群ではパターンの変化は認められなかった。非投与群に対して,非手術群と十全大補湯投与群はCluster解析において72%の類似性を認めた。以上より,十全大補湯は肝部分切除後に認められる腸内細菌叢の変動を抑え,安定化させることによって血清アンモニア値の上昇を抑制しているものと考えられた。
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© 2006 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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