Journal of UOEH
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金属の生物学的半減期モデルの応用に関する問題点
杉田 稔土屋 健三郎
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1988 年 10 巻 2 号 p. 179-188

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抄録
実験により重金属の生物学的半減期(BHT)を求める方法で, 短いBHTを報告した研究は多数ある. 一方, 土屋と杉田はヒトの臓器や組織中のガドミウム(Cd)蓄積量により, 微分方程式を含有する非線型回帰法を使用して長いCdのBHTを算出し, それを初めて報告した. それによると腎皮質と髄質(男, 女)のCdのBHT(点推定値)の範囲は12.1-22.7年であった. このデータを使用して, 推定母数の95%信頼限界上のCdのBHTの最小値と最大値を6.9-70.2年と推定した. さらに, そのCdのBHTの個人値の95%信頼限界はおおよそ数年から100年以上の広い範囲内にあると推測された. このようなBHT個人値の広範囲の理由はCdの摂取量, 吸収率や排泄率等の固体差がかなり大きいと考えられていることである. 一方, それらの固体差を無視した平均値として, 蓄積量をもとにしたCdのBHTの点推定値が算出される. したがって, Cdの労働環境や食品の安全基準の算出にその点推定値としてのBHTを使用することは不適当である. このことは, 金属のBHTを慎重に評価吟味して, 軽率な使用を慎むべきであることを示している.
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© 1988 産業医科大学
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