Journal of UOEH
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米国における産業医学の生涯教育およびレジデンシー・プログラム
香山 不二雄
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1989 年 11 巻 1 号 p. 77-82

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抄録
今回本学の産業医学卒後教育に資する目的で, 米国の産業医学生涯教育の実状を視察し, また一受講生として, 体験学習する機会を与えられた. 昭和63年2月から2ヵ月間にわたり米国各地において米国人を対象にした産業医学生涯教育セミナーに参加してきた. 受講生の大部分がindustrial hygienist (IH)である点や, 教育方法の違いはあったが, 教育内容は本学の産業医学基本講座に非常に類似していた. NIOSHの生涯教育プログラムの中でのMDの受けるコースはミニ・レジデンシーなど少数のコースに限られていた. 参考のために, そのカリキュラムを紹介する. また産業医学の専門医のトレーニングとして, 3年間のレジデンシー・プログラムの状況も簡略に述べた. 米国では, 専門的にトレーニングを受けた有能なIHが, かなり決定権を与えられており, 職場の衛生管理, 環境管理を行っている. IHは現在の米国の産業衛生に大きな貢献をしているという印象を得た. 専門医制度の発達している米国では, 私の知り得た限りでは, 産業医学専門医は, 臨床専門医のイメージの強い産業医であった.
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© 1989 産業医科大学
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