Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
ラット肝・胆管血管鋳型の走査電顕像
原武 譲二山元 修久岡 正典堀江 昭夫
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 12 巻 1 号 p. 19-28

詳細
抄録
正常ラット肝ならびに胆管の微小血管を, 血管鋳型ならびに走査電子顕微鏡(SEM)を用いて検索した. 血管鋳型は生食水にて灌流後, Mercoxを注入して得られた. 門脈枝は順次二分岐して径を減じ終末門脈から類洞へ注ぐ他, 多数の小側枝を分枝し, これらはしばしば動脈枝を伴わず, 直接類洞へ注いでいた. 胆管周囲には豊富な血管網(PBP)が見られ, 肝動脈からの輸入血管を受け, 門脈枝や類洞への灌流, 門脈周囲血管網との吻合もみられた. 末梢門脈域では, 肝動脈門脈吻合や肝動脈類洞吻合がみられる他, PBPと類洞の吻合もみられた. 肝内血管網は極めて複雑な吻合や分枝を示し, 動脈と門脈によるに二重支配をさらに円滑にしていることが示唆された. 肝外胆管や, 今までに記載の少ないVater乳頭の血管網にも触れ, 若干の文献的考察を行った.
著者関連情報
© 1990 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top