Journal of UOEH
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酸化エチレン慢性毒性の性差 Ⅰ. 末梢神経障害
森 晃爾大西 晃生藤代 一也井上 尚英
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1990 年 12 巻 1 号 p. 61-66

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抄録
雄性および雌性ラットに対し, 250ppmの濃度の酸化エチレンを1日6時間, 週5日, 17週間吸入曝露し, 酸化エチレンに対する末梢神経の感受性の性差について調べた. 雄雌とも曝露群では後肢の反転および失調性歩行を認めたが, これらの異常の程度に明らかな性差は認められなかった. 曝露群では腓骨神経, ヒラメ筋支配枝のときほぐし線維標本および脊髄後索のエポン包理標本において, 有髄線維に軸索変性の所見を認めた. また末梢神経では, 腓骨神経よりヒラメ筋支配枝の方が障害が強かった. しかしこれらすべてで障害の程度には明らかな性差はなかった.以上より, 酸化エチレンに対する末梢神経の感受性には性差がないと考えた.
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© 1990 産業医科大学
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