抄録
BOD測定の際, 硝化菌と窒素化合物が存在する場合, 硝化による酸素消費が炭素化合物の酸化による酸素消費と同時に進み, BODの測定値に影響を及ぼすことが知られている. 特に下水処理場の処理水には, 硝化菌が多く含まれているため, 硝化性酸素要求量(NOD)が原因して処理効率が正しく把握できない場合がある. そのためBOD測定の際, 硝化反応が生じる可能性がある場合には, 硝化抑制剤を加えることが推奨されているが, 実際には広く用いられていないのが現状である. そこで北九州市の下水処理場処理水, 流入水, および河川水についてBODにおけるNODの寄与率を把握するため, 抑制剤を加えた場合と加えない場合とでBODの測定を行った. その結果, 下水処理場処理水についてはBODの約70%がNODであり, また, 硝化菌の濃度が低くNODの寄与率は低いと考えられている下水処理場流入水, 河川水についても, BODの0-39%がNODであることがわかった.