抄録
尿中ALP・LAP・γ-GTPの活性測定を行う際問題となる透析処理, 遠心処理, 蓄尿・随時尿の選択についての検討を行った. 尿の前処理として行う透析はLAP, γ-GTPおよびALP(Bessey-Lowry法)測定に関しては省略可能であった. しかし, Kind-King法にてALP活性を測定する場合, 尿中の透析性の成分の影響を受けるため透析処理が必須となることが確認できた. また, 遠心処理の有無, 遠心条件の相違により各酵素とも活性値が変化することが確認でき, 遠心操作は一定条件で行う必要があると考えられた. 尿検体種を選択する場合蓄尿が望ましいが, γ-GTPはクレアチニン補正を行うことにより随時尿の使用も可能であると考えられた.