Journal of UOEH
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塩化メチル水銀のラット脳クレアチンキナーゼ活性に及ぼす影響
松岡 雅人井上 尚英伊規須 英輝
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1992 年 14 巻 1 号 p. 77-81

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抄録
ウィスター系雄性ラットに塩化メチル水銀を10mg/kg body weight/day, 7日間連続皮下投与し, 全てのラットで後肢の交叉現象を認めた投与開始後15日目に脳内酵素活性について検討した. creatine kinase(CK)活性は大脳皮質では, 前部, 中部, 後部とも軽度抑制された. aspartate aminotransferaseとlactate dehydrogenase活性もCK活性の抑制とほぼ同程度に大脳皮質で抑制された. 線条体と小脳では, 明らかな酵素活性の抑制は認めなかった. 塩化メチル水銀は, 明らかな脳内CK活性の抑制をきたす酸化エチレンやアクリルアミドとは, 中枢神経障害の発現機序において異なると考えられた.
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© 1992 産業医科大学
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