Journal of UOEH
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チトクローム P-450 2D6 遺伝子欠損の人種差について
加藤 貴彦東 監
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1992 年 14 巻 3 号 p. 205-209

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抄録
チトクローム P-450 は, 生理的な物質や, 環境中の化学物質の代謝に関与している重要な薬物酸化酵素である. この中で, チトクローム P-450 2D6 デブリソキン-4-ハイドロキシラーゼは, 常染色体劣性に遺伝する遺伝的多型性の存在が報告されており, 代謝活性が低いpoor metabolizer(以下, PM)は, 各種薬物の代謝障害に関与していることが明らかとなっている[Gough et al(1990)Nature 347: 773-776]. PMの頻度には, 人種差が存在することが報告されているが, 日本ではデブリソキンが薬剤として認可されていないため, これまで日本人のPMに関しては全く検索されていなかった. 今回, 我々はデブリソキンを投与せず, 白血球DNAを用いたGoughらの方法により, 東洋人(日本人25人, 中国人20人)で, チトクローム P-450 2D6 の遺伝子レベルの検索を行い, 白人の頻度と比較検討した. Goughらの方法を用いれば白人においては, すべての正常者と79%のPMを同定できるはずだが, 我々は東洋人のPMを同定できなかった. これらの結果は, 東洋人のPMの遺伝子レベルのメカニズムが, 白人のそれとは異なっていることを意味している.
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© 1992 産業医科大学
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