抄録
我国においては, 細胞診断の結果はPapanicolaouクラス分類として示されることが多いが, 最近, 以下のような種々の問題点が指摘されている.
1)クラス分類の解釈が診断医により異なる.
2)炎症の細胞診が反映されない.
3)ホルモン細胞診が反映されない.
4)子宮内膜細胞診には応用出来ない.
5)絨毛性疾患には応用出来ない.
6)臨床医の対応がクラス分類のみで行われている.
以上の問題点について症例を呈示しながら解説するとともに, Papanicolaouクラス分類の廃止およびDescriptive diagnosisの確立を強調する.