抄録
食道癌の予後は近年改善傾向にあるが, 他の悪性疾患に比べて依然著しく不良である. そこで今回, 産業医科大学病院第二外科において切除された101例の原発性食道癌患者に対し, 臨床病理学的因子と予後との関連を解析し, 食道癌の予後因子について検討した. 解析した因子は, 性, 年齢, 占拠部位, X線長径, 分化度, 深達度, リンパ節転移(n), リンパ管侵襲(ly), 血管侵襲(v), 上皮内進展(ie), 組織学的進行度(stage)の合計11項目であったが, その中で予後を決定する因子は深達度, n因子, ly因子, v因子, stageの5項目であった. この中で最も重要な予後規定因子と考えられたのは, 深達度(a3であるか否か)とリンパ節転移の有無であった. さらにリンパ節転移n1+2群陽性例においてはly因子, v因子の有無が重要な要素と考えられた.