抄録
近年, スパイラルCTの登場により精度の高い3D画像が得られるようになった.我々は3D画像作成過程において作成者が任意に設定しなければならない閾値, また, 得られた3D画像に対して加えることのできる回転という二つの因子に注目し, これらが3D画像に与える変化を実験的に検討した.実験にはアクリル製円柱棒からなるT字モデルを用い, shaded surface display(SSD)法による3D画像を作成した.閾値の増大は画像情報の喪失をもたらし, とりわけT字モデルの横棒全体と縦棒上端部(横棒との接着部付近)において顕著であった.回転に伴う観察者との距離変化は, 遠くなるほど黒くなるグレイスケールによって表現された.若干の臨床例を含めて, 3DスパイラルCTの特性と問題点について考察した.