Journal of UOEH
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アトピー性皮膚炎2歳児における除去食療法の栄養学的検討
中嶋 加代子
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1997 年 19 巻 1 号 p. 13-22

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抄録
除去食療法の栄養学的効果を検討するため, アトピー性皮膚炎治癒児が摂取した食事(和食4段階法)を7日間調査し, 栄養価算定を行った. エネルギーの平均摂取量は所要量より少なかったが, これは植物油を全く摂っていない児が全体の54.8%を占めたことにより, 脂質平均摂取量が所要量の1/2になったためと思われる. 卵や牛乳を全く摂取していない児が全体の半数いたにもかかわらず, たんぱく質平均摂取量は男児が31%, 女児が42%所要量を上回った. カルシウム摂取量は男児が365±199 mg, 女児が452±67 mgであった. 鉄およびビタミン類の平均摂取量は所要量を大幅に上回った. 除去食療法男児のP比は17.6%, F比は11.6%, C比は70.8%, 女児のP比は17.1%, F比は13.9%, C比は69.0%となっており, 摂取量は男児女児共, 栄養所要量に比べ, F比が少なくP比およびC比が多いことが明らかになった.
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© 1997 産業医科大学
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