抄録
わが国の保健所レベルにおける12年間(1961-72年)の平均出生時体重(MBW)の時系列を基礎資料として, この時系列を年数が6年から11年までの短い12種類の時系列に再編成し, それぞれのMBWの時系列を極限値(K値)をもった成長曲線のひとつである修正指数曲線に近似させ, 使用する時系列の年数による曲線のあてはまり方およびK値の平均値の変動の状況を比較検討した. その結果, 時系列を6年から12年まで将来または過去にさかのぼって使用年数をふやし, そのときの近似曲線の型(Ⅰ型, Ⅱ型ならびにX型)やK値の変動を個々の保健所ごとにみると, かなりの変動がみとめられる場合もあるが, 全体としてのK値をみると, それほど大きい変動はあまりないことが判明した. 考察において, 今後さらにMBWの年次推移の変動の巾が比較的小さい県レベルの時系列によって同様の検討を加える必要のあることを指摘するとともに, われわれの1人(大沢)の報告したわが国の県レベルにおける単産ならびに単産・複産合計についてのMBWによる6年間の時系列(1969-74年)から推定算出したK値は今後1975年以降の時系列を追加して, 再検討した場合にもそれほど大きな変動はみとめられないことを推論した.