Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
血液透析患者におけるP50と2,3-DPGの解離現象
田中 孝夫重松 昭生市丸 喜一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 2 巻 2 号 p. 207-210

詳細
抄録

慢性腎不全のため血液透析療法をうけている患者においては顕著な貧血が多く見られる. 一般に貧血患者ではヘモグロビン酸素解離曲線の右方移動が代償的に認められるが, 今回われわれは, これら血液透析患者について検討を加え次の結果を得た. 1)P50は対象群に比し有意に増大していたが, 2,3-DPGは有意の変化を示さなかった. 2)2,3-DPGがP50の増加にも拘らず増大しない理由としては代謝性アシドーシスによるpHの低下が最も大きいと考えられた.

著者関連情報
© 1980 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top