抄録
日本計測機製電子式自動平衡記録計(EH 300-12)を用い, 全手指末節掌側に径8mmの入力端子を貼布し, 24-28℃室内に30分安静にし, 手指皮温が, 平行状態になったら氷水中に, 患側手関節迄浸漬し, 30分経過後に,ひき上げ, そっと水分をとって皮温の回復を待つ. このときのカーブパターンを臨床所見・電気生御学的所見と対比し, 吟味した. 大きく, 2つのパターンにわけられた.
A. 知覚神経軸索健在群 : C5完全脊損(1例), 腕神経叢ひき抜き損傷(7例), 尺骨神経遅発麻痺(11例), 手根管症候群(6例), ポリオ(2例)等, この群にわけられた.
B. 知覚神経軸索変性群 : 腕神経叢損傷(6例), 尺骨神経断裂(6例), 正中神経断裂(5例), 正中, 尺骨神経断裂(3例)がこれに属した. 神経縫合により, このパターンも正常型Aに同復する.
Lewis法やPorter法と, 私共の方法は, 多少異なるが, 知覚神経が変性してしまうと消失してしまうaxon reflexの一つと考えられる.
誰にでも容易に出来, 診断上, 予後判定上, 有益な補助手法と考えられる.