Journal of UOEH
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フェニールケトン尿症における食事療法による医原性 一過性高グリシン血症・高アラニン高ピルビン酸血症の血中カストリンおよびセロトニン値
山岸 稔小島 邦彦大山 宣秀
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1980 年 2 巻 3 号 p. 361-367

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抄録
フェニールケトン尿症の乳児の食事療法を行うには, 市販の低フェニールアラニンミルク(ロフェミルク, 雪印)を用いるのが便利で, これにより高フェニールアラニン血症は速やかに消退する. しかし補充的アミノ-酸としてグリシン含有量が普通の育児用ミルクの10倍, 母乳の16倍, 牛乳の7倍, またアラニンは育児用ミルクの8倍, 母乳の14倍, 牛乳の5倍もあり, われわれの2乳児例は, 一過性に高グリシン血症・高アラニン高ピルビン酸血症に該当する所見を示した. 一方, 文献的には胃の内分泌・外分泌を促す適当刺激アミノ酸として, グリシン・アラニンなどが挙げられている. われわれの2例の血清ガストリン値は, 過剰なグリシン・アラニン摂取による一定の影響は受けず, むしろ自身の血中セロトニン値へ影響を及ぼした. 殊に重症時の低セロトニン血症は, しばしば比較的高いガストリン値に伴ってみられており, かかる所見からは, セロトニンの臨床的意義が, そのオリジン・分布部位によって多岐に亘るとはいえ血流中のものを問題とする場合には, 消化管ホルモンの一つとして強調されることが, 示唆された.
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© 1980 産業医科大学
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