Journal of UOEH
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起立調節異常を伴う自律神経障害の病態生理・診断・治療における最近の動向
ブレア P. グラブ安部 治彦(訳)
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2000 年 22 巻 1 号 p. 19-31

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抄録
head-up tilt試験の普及により, 起立性低血圧を呈する自律神経障害に関心が払われるようになってきた. 同時に, これらの病態解明が進むにつれ, 疾患分類の見直しも必要になっている. 特に, 原発性の慢性自律神経障害はpure autonomic dysfunction, multiple system atrophy, およびpostural orthostatic tachycardia syndromeの3つに分類されている. 一方, 急性自律神経障害は臨床的に稀ではあるが, しばしば急激な発症をとることがある. 酵素異常を伴う種々の病気や薬剤投与により, 二次的に自立神経障害を来し, 起立性低血圧や失神発作を来すこともある. これらの失神発作の原因を正確に診断するために最も重要なことは, 詳細な病歴を取ることである. 本稿では, 自律神経障害における最近の知見と, これらの疾患分類, 診断, および治療戦略について述べる.
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© 2000 産業医科大学
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