Journal of UOEH
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産業医科大学病院におけるDoctor, Nurseの手指微生物汚染状況と効果的手洗い方法の検討
小川 みどり小嶋 暁美谷口 初美松本 哲朗
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2000 年 22 巻 4 号 p. 339-349

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抄録

手洗いは院内感染防止対策上, 基本的かつ最も重要な手技である.
今回, 本学病院の院内感染防止対策の一環として, Doctor, Nurseの感染防止の意識を高めることを目的に, 手洗い効果の実態について調査を行った.
19病棟のDoctor(108人), Nurse(114人), 計222人を対象に, パームスタンプチェック一般細菌用寒天培地を用い, 手洗いを行う前と後のコロニー数より菌数を計測した.
その結果, 手洗い前の菌数より病棟間で微生物汚染状況に違いが認められ, 前後の菌数の比較により手洗い方法による減菌効果の違いが認められた. 水洗および普通石ケンである固形石ケン, マイクロシールドを用いての手洗いの減菌効果はなく, 患者に接する前後の手洗いには減菌効果に優れた消毒剤を使用すべきであることが明らかになった. また, 微生物の増殖している培地と最終結果(写真と菌数の表)を各病棟に戻し, 現場のDoctor, Nurseに現状を認識してもらった.

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© 2000 産業医科大学
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