Journal of UOEH
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ICD(implantable cardioverter defibrillator)植込み時に極めて高い除細動閾値であったが, その後自然発生した心室細動に対するICD治療が成功した拡張型心筋症の1症例
田村 和彦安部 治彦長友 敏寿中島 康秀
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2001 年 23 巻 4 号 p. 363-368

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抄録
患者は72歳の拡張型心筋症の男性で, 繰り返す薬剤抵抗性の心室細動(VF: ventricular fibrillation)に対して経静脈的に植込み型除細動器(ICD: implantable cardioverter defibrillator)が植込まれた. VFは植込み時誘発テストではT波ショックにて誘発されたが, ICDは最大出力の30Jでも誘発されたVFを停止できなかった. 除細動器の極性を変え, 上大静脈リードを追加しても誘発されたVFの停止に効果的でなかった. ICDはVFを感知した際には最大出力の30Jで作動するように設定され, 手術終了とした. 術後5ヵ月間の経過観察期間中に, 2回の自然発生したVFがICDのテレメトリー上に記録され、いずれのケースもICDは最初のショック治療にてVFを停止させた. ICD植込み時の誘発されたVFの停止に失敗したにもかかわらず, 経過観察期間中に自然発生したVFの停止に成功したICD植込み患者の報告例はこれまでない. 除細動閾値が非常に高いICD患者では特に注意深い経過観察が必要と考える.
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© 2001 産業医科大学
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