抄録
自家末梢血幹細胞移植術を安全に施行するには十分量の末梢血幹細胞(peripheral blood stem cell: PBSC)を効率よく採取する必要があり, この目的でPBSCの指標として採取前日・当日の末梢血CD34陽性細胞数の測定が行われているが, フローサイトメーターを所有していない一般病院では迅速な結果が得られない. そこで一般病院でも施行可能な末梢血液所見の動態を中心に, PBSC採取効率に及ぼす諸因子の影響について検討した. 化学療法と顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor: G-CSF)を使用したPBSC採取では, 採取時末梢白血球中の未熟細胞(骨髄芽球, 前骨髄球, 骨髄球, 後骨髄球, 赤芽球の和)の比率がPBSC採取効率と最も強い相関が認められ, 相関係数も0.724と比較的高く, PBSCの採取時期の決定や採取PBSC量の予測に有用ではないかと思われる. またG-CSF非使用下では, 白血球増加速度など骨髄造血回復能を示す種々の因子とPBSC採取効率に相関が認められた.