Journal of UOEH
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ケモカインと疾患
田中 良哉
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2002 年 24 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

ケモカインは, 細胞遊走活性を有するサイトカインのファミリーである. ケモカインは, 主に炎症組織やリンパ組織から産生され, インテグリン依存性の細胞接着誘導活性と細胞遊走活性の2つの機能を介して, 末梢血管内を循環する免疫担当細胞を経血管内皮に組織内へ遊出させ, 集積させる. その結果, 免疫担当細胞は免疫応答を発揮し, 炎症病態の形成, および, 遷延化とその制御において重要な役割を担う. さらに, ケモカインは, 特定の免疫担当細胞サブセットに発現する受容体と結合して, 組織内に特定の細胞を集積させて特異的炎症を引き起こす. 従って, ケモカインとその受容体は特定の炎症病態の, より選択的で効率的な疾患制御において魅力的な標的である.

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© 2002 産業医科大学
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